「私から見た長谷川まつり」

2019年2月開催 芸能人はカードが命!18にて頒布いたしましたコピー本「さぁ、長谷川まつりの話をしよう。Vol.0」収録の「私から見た長谷川まつり」を掲載いたします。

私と長谷川まつりの出会いは2014年10月2日ではない

その時はまだアイカツ!に触れていなかった。もしこの日の自分に会うことができるとしたら、必ずアイカツ!102話を視聴するように言いたい。前後は良いからとにかく見て。

自身のツイッター過去ログを振り返り、136話、137話でもないことが判明した。ここが私にとって、長谷川まつりのオタクだが、彼女の事を何も知らないと泣きたくなる要因の一つでもある。

ちゃんと意識して彼女を見るようになったのは、キューポッシュ長谷川まつりを作ろうと思い立った頃だと記憶している。それまで(そして今も)服部ユウのオタクである私は既に作っていたキューポッシュ服部ユウの隣に立たせるキャラクターを考え「現ルームメイトの長谷川まつりちゃん作らないと、うちのユウちゃん寂しがるじゃん?」という結論に至り、キューポッシュアスナ(ソードアートオンラインのキャラクター)をベースに長谷川まつりを制作。2015年12月28日、翌々日に服部ユウ推しオタク達との会合を控えていた絶好のタイミングで完成、お披露目に至る。

そして、キューポッシュ改造と同時進行でスーパードルフィーミディのフルチョイスシステムを利用しSDM長谷川まつりを発注。ドールは小学6年生の頃、幼馴染がお迎えしたのを見せてもらい、それからずっと憧れの対象だった。

なぜ服部ユウではなく長谷川まつりからお迎えしたかというと、彼女に煽られれば確実に服部ユウをお迎えするための資金が溜まると考えたからだ。実際、長谷川まつり発注のちょうど1年後、同日にSDM服部ユウの注文をすることができた。

ドールの長谷川まつりとの蜜月は1年間。

それも、当時の同居人(ここだけ表記を現在に合わせました)に内緒でドールを迎え入れたため、物言わぬ彼女は私の実家で私と服部ユウを待っていた。実家に帰るたびに彼女の手入れをしていた。ある時、彼女を膝に乗せ髪を梳かしながら「このまま振り向かせたらめちゃくちゃ可愛いのでは?」と試したことがある。

深窓の令嬢を意識して用意した白いシフォンのワンピースはチュールによって広がり、まるで妖精の佇まい。ガラスの瞳を少し上目遣いにセットしていた。小首をかしげるようにして振り向かせたその時、私の心に稲妻が落ちた。かわいい。長谷川まつりはかわいい!!なんだこれ!!!長谷川まつりじゃん!!!この時、長谷川まつりと同時にSDM18番ヘッド沼にドボンと落ちる音も聞こえた。服部ユウは当初別のヘッドを考えていたが、このはせまつショックの影響もあり同じ18番でメイクをより活発な印象のものでオーダーした。2人が私と次元を同じくしている存在は何より生活に潤いを与え、生きる活力を2人から頂いている。THUNDERBOLTの立体は良いぞ。

その当時、既にアイカツ137話のユニットカップ開会式での長谷川まつりの手元を見て「育ちの良いお嬢様に違いない、ピアノ弾いてそう。」という妄想が生まれていた。137話の長谷川まつりの立ち姿が此度の新刊「長谷川家外商手記」の原点である。そしてドールメイクのオーダーも、メイクカタログの中で最も深窓の令嬢感のあるものを選んだ。今でも自己解釈の一致で当時の私を褒めてやりたい。

閑話休題(なにせ余計な話が長い)。

新刊は例のアイカツ!102話よりもっと前、彼女のスターライト学園入学直前に至るまでの内容になっている。

前述の通り、137話の立ち姿から妄想された「長谷川財閥」の存在。そんなものはもちろんアイカツ界においても、現実にも存在しない。

妄想の話で申し訳ないが、長谷川家は財閥という名の付く通り不動産系列のグループ会社を抱える銘家である。そして、本書に登場するデパートとは代々からの付き合いであり、プライベートだけでなく、法人外商も招いているのではないだろうかと推測される。

そして、不動産絡みで姫里家、一ノ瀬家も北大路家と同様につながりがあると考える。まず、姫里家は広大な敷地を所有しており、アイカツ本編でも相当なお金持ちであるという描写は強く描かれている。姫里家も長谷川家と同様、一人娘を優しい環境で育てているという点で仕事以外の接点が生まれ、後に姫里家のパーティーで長谷川まつりが「オーロラプリンセス」を演奏するという描写を「花中の少女は夢を見る」冒頭で入れた。マリアちゃんには、まつりちゃんのことを妹のようにかわいがってほしいと願う。どちらも箱庭少女なので絶対可愛い。

一ノ瀬家もまた、スケールの大きい富豪として描かれる。そこに、長谷川財閥海外部での繋がりの可能性がある。また、欧米展開中心のかえで寿司が日本出店の際に長谷川家の力を借りてほしいという私の願望もこもっている。妄想ついでに言うと、かえでちゃんには彼女の事を「ミス・ジャスミン」と呼ばせたい。シスター・ジャスミンも良いな。欲望は天井知らずである。

アイカツ102話内の長谷川まつりの登場シーンは約40秒。その1分足らずの、ルームメイト服部ユウが元ルームメイト大空あかりに彼女を紹介し、食堂に向かうシーンは「長谷川家外商の手記」製作中に見返し、声を上げて泣いた。ちょうど12歳の彼女が外商さん宛に書いた手紙のシーンをどうしようかなと考えている最中だった。

原稿の進み具合があまり良くなかったこと、それまで書き上げた長谷川まつりという名のついた幻想がテレビ画面の向こう側で実在するという事実。時折、彼女を指す言葉として非実在少女という表現を多用するのだが、それまで私の妄想という名の箱庭にいた彼女が思慮の外から現れ、喋り、動く。これを実在すると言わずして何と呼ぼうか。

完全に妄想を彼女に押し付ける形で生きているため、現在アイカツ!を52話まで見直している身としては102話の訪れが恐ろしくもあり楽しみでもある。

さて、そろそろ紙とインクの無駄遣いをやめようと思うが最後にもう少しだけ。

前回の芸カの後、とある服部ユウのトップオタクから「長谷川まつりを幸せにしてください。」と言われ、それからずっと彼女の幸せについて考えていた。私は、長谷川まつりの事が大好きだが彼女について何も知らない。公表されていないので誕生日すら知らない。

私の妄想の中では、長谷川まつりはSL学園高等部卒業と同時にアイドルを引退し、長谷川財閥を継ぐため大学に進学する。

2020年3月までに、私の中で見つかっていない「長谷川まつりの幸せ」が見つかることを心から祈る。

2019年2月23日 村八